函館鳥かん図

1948年頃(昭和23年頃)
著者/吉田初三郎、絹本原図・46×187cm

本鳥瞰図は、市街が細密に描かれている一方、周縁部である恵山から大沼・駒ケ岳、さらには江差や奥尻(今回はカット)までをデフォルメして収めるという実際にはありえない構図となっている。また、1936年(昭和11年)に制作された同様の構図の鳥瞰図では、1945年(昭和20年)まで要塞地帯法により函館山の撮影・測量・模写・入山が禁止されていたため、函館山へのルートが描かれていない。
著者の吉田初三郎は1884年(明治17年)京都生まれ。初三郎の絵図は大胆な構図に特徴があり、71歳で没するまで日本全国を巡り約1600点といわれる多数の観光絵図、鉄道沿線図などを描き、パノラマ絵図の大家として有名。港まつりポスター、観光絵葉書なども制作している。渡島半島のバス路線・停車地を描いた絵図「観光道南」(函館バス株式会社の前身の会社が発行)も館内限定デジタル資料館であわせて確認されたい。

(函館市中央図書館所蔵)

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