函館公園全図

1882年(明治15年)
著者/ 石田良助(柏陽)、出版/魁文社、折図・37×72cm

函館公園は1879年(明治12年)開園。近代日本における都市公園の先駆けとされ、建設にあたっては当時の函館駐在イギリス領事ユースデンが協力し、豪商・渡辺熊四郎らが中心となって、多くの市民から資金や労力を調達したといわれている。現存する都市公園としては北海道最古。
副題に「函館八景摘録其一」とあるので、公園のみならず函館山や付近の景勝地を入念に描きこんだ名所図絵とも見られる。中央部の円形の花壇と後方の博物館が突出して大きく描かれる一方、遊歩する洋装の紳士淑女の姿などもあり、当時の市民が公園開設にかけた心意気が感じられる。
なお、本図と同じタイトルの絵が他に1枚現存しており、そちらでは函館山と全体の色彩が緑色に描かれ、公園中央の公園記念碑が大きくなり、背景の駒ケ岳の形にも異同があるのが確認できる。ぜひデジタル資料館で比較されたい。

(函館市中央図書館所蔵)

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