(青函連絡船)函館連絡桟橋の可動橋
1932年頃(昭和7年頃)
撮影者不明、津軽要塞司令部許可済、「津軽海峡の女王 青函連絡船 FERRY-STEAMERS BETWEEN AOMORI & HAKODATE 版CS 八枚組」8枚入ケース付の1枚
絵葉書セットのうちの1枚。岸壁と船の間に貨車を積み込むための「可動橋」があり、その上に蒸気機関車が先頭で写っている。この構図は橋に負荷がかかるため、日常シーンではないと考えられる。そのことから、絵葉書セット制作のためにわざわざ撮影されたものだと考えるのが無難。現在はクレーン部のみ残っている。また、本シリーズ「大正・昭和セレクション」で採用した1925年(大正14年)の古地図「函館市街全図 最新版」で、かつては函館駅から「桟橋停車場」まで線路でつながっていたことも確認されたい。
青函連絡船は、1908年(明治41年)から1988年(昭和63年)まで80年に渡って青森港と函館港を結んだ。1億6千万人の乗客と2億5千万トンの貨物を運び、航行距離は8千万km(地球を2019周分)にも及ぶ。海峡をつなぐその役目を同年3月13日に開業した青函トンネルに引き継いだ。
なお、国内で保存されている青函連絡船は、函館の摩周丸と青森の八甲田丸のみである。
(函館市中央図書館所蔵)